ビデオカメラは大きく分類すると「フルHD」と「4K」の2つのモデルに分類できます。しかし、4Kはいらないと言った声も多くあります。そこで、ビデオカメラで4Kはいらないのか、メリット・デメリットについて解説します。
【ビデオカメラ】4Kはいらない?
ビデオカメラを検討したときにまず考えるのは、フルHDモデルにするか4Kモデルにするかです。そこで、まずは現在のビデオカメラ市場について解説します。
民生ビデオカメラは「ソニー」か「パナソニック」
従来、ビデオカメラといえば「ソニー」、「パナソニック」を筆頭として「キヤノン」や「ビクターJVC」など各社から選ぶことができましたが、現状は「ソニー」と「パナソニック」のどちらか2社から選択することになります。
その他の国内メーカーは市場縮小に伴い、民生機種やビデオカメラ市場自体から撤退していきました。また、中華の安い激安ビデオカメラもありますが中華激安ビデオカメラは避けるのが無難です。
4K機種・フルHD機種どちらも現行
現在、スマホのカメラやテレビなどでは4Kが主流と言っても良いほど、4Kが一般的になってきていますが、ビデオカメラ市場においては4KビデオカメラとフルHDのみ対応のビデオカメラがどちらも現行で販売されています。
ただし、どちらかといえば4Kビデオカメラのほうがラインナップが多く、フルHDモデルはエントリークラスのビデオカメラとして各社(ソニー、パナ)数機種のみを発売している状況です。
予算が許せば4Kがおすすめ
結論から言えば、現状のビデオカメラ市場を見ていると、予算が許すのであれば4K機種を選ぶことをおすすめします。4KビデオカメラでもフルHDの動画撮影は可能であり、後述する4Kのメリットで詳しく解説するように高画質だといえます。
また、現在はフルHDで満足できていても後々、デジタル環境の変化でフルHDでは満足できないようになってきたときには4Kで撮影しておけば、後悔は少なくすみます。
しかし、4KビデオカメラとフルHDモデルの間には数万円程度の価格差があります。そこで、次項からはビデオカメラに4Kはいるのか・いらないのかという点についてメリット・デメリットを解説していきます。
【ビデオカメラ】4Kはいらない? ~4Kのメリット~
ビデオカメラにおいて4Kはいるのか、まずは「4Kのメリット」という側面で解説します。
画質がきれい
4Kビデオカメラの最大のメリットとして画質があります。4Kビデオカメラで撮影できる4K映像は単純比較して、フルHDの4倍の画像サイズがあります。そのため、フルHDよりも画質が良いといえます。
特に、人物の表情や風景の細かい描写においてはその効果を実感できる場面が多くあります。
「フルHD」でもフルHDモデルより画質が良い
4Kビデオカメラは「フルHD」でも撮影することができます。ですが、一般的には4Kビデオカメラで撮影した「フルHDの映像」と、フルHDのビデオカメラで撮影した「フルHDの映像」を比較してみると同じフルHDでも、4Kビデオカメラで撮影したフルHDの映像の方がきれいに撮影できます。
これは、通常のフルHDビデオカメラで撮影している映像はもともとがフルHDの情報から映像を作り出しているのに対して、4Kビデオカメラで撮影したフルHDの映像は4Kの情報からフルHDの映像を作り出しているからです。
単純に、フルHDの映像となる元の情報量が4倍となるためフルHDのビデオカメラで撮影した映像よりも、同じフルHDでも映像のきめ細かさやくっきりさに差が出ます。
フルHDビデオカメラはエントリークラス
また、現行のフルHDビデオカメラはエントリークラスに位置づけられる製品です。そのため、搭載されているセンサーの大きさも小さく10年前のミドルエンド〜ハイエンドクラスのフルHDビデオカメラと比較しても、画質が劣る場合がほとんどです。
よって、古いけど当時はそこそこ高性能であったフルHDビデオカメラから買い替えを検討する場合に、現行のフルHDビデオカメラを選択してしまうとかえって画質が悪くなってしまうこともあります。そのような場合には、4Kは不要でも4Kビデオカメラを選択しましょう。
拡大してもきれい
4Kは不要でありフルHDでも十分という方にも、4Kビデオカメラはおすすめです。それは、4Kで撮影した映像は拡大してもきれいなため、発表会や運動会などでは被写体のみをアップにするのではなく、少し広めに撮影しておき後から拡大することができるからです。
前述の通り、4KはフルHDの4倍のサイズがあるため2倍に拡大しても、フルHDと同じ画質感を得ることができます。被写体のみをアップで撮影してしまうと、その場の雰囲気をうまく残せない場合も多いので4Kで少し引き気味に撮影しておき、後から必要な場面のみを拡大するといった使い方ができます。
また、カメラによってはパソコン無しでも、撮影後にカメラ内でズームや手ぶれ補正を追加することが可能です。
スマホ・タブレットで再生時にもGood
一部では、スマホ・タブレットは画面サイズがテレビと比較して小さいため、4Kは不要とも言われていますが、筆者はタッチ操作が可能なスマホ・タブレットこそ4K映像のメリットがあると思います。
4Kビデオカメラで撮影した映像をスマホ・タブレットに保存して、再生すると再生しながら自分がより大きく見たい場面を指で拡大して見ることができます。フルHDの映像でも可能ですが、4Kのほうがよりきれいに・大きく見ることができます。
写真にしてもOK
ビデオカメラで撮影した映像からベストショットな1コマを取り出して、写真を作ることができます。これ自体はフルHDのビデオカメラでも可能ですが、フルHDの映像は約200万画素しかありません。
そのため、フルHDの映像から取り出した1コマを写真にするとかなり画質が悪くなってしまいます。しかし、4Kの映像であれば約800万画素の写真を取り出すことができます。
800万画素といえば、一昔前までのiPhoneのカメラと同じサイズです。L版サイズ程度のプリントやSNSでのシェアであれば十分使える画質です。
【ビデオカメラ】4Kはいらない? ~4Kのデメリット~
4KビデオカメラはフルHDのビデオカメラと比較して、基本的に価格以外のデメリットはないように思えますが、4Kビデオカメラにもデメリットはあります。4Kビデオカメラのデメリットについて解説します。
60p撮影ができない
現状、民生機種の4Kビデオカメラでは4Kの60p撮影はできません。60p撮影とは、1秒間の間に60コマの画像を撮影して映像を作ることができる撮影のことです。対して、フルHDビデオカメラのフルHD撮影、4KビデオカメラのフルHD撮影では60p撮影が可能です。
一般的な映像は30pであり、4Kビデオカメラの4K撮影は30pでの撮影です。しかし、スポーツなどの動きがあるアクティビティの撮影については60pで撮影できたほうが映像のスムーズさがあります。
現在、フルHDの60p(60i)撮影を行っている方が4Kの30p映像を見ると映像が少し、カクついて見えるように感じることがあります。
容量が大きい
4Kの映像はフルHDの4倍のサイズがあります。そのため、撮影した映像の容量もフルHDの映像よりも遥かに大きくなります。一般的に4Kビデオカメラの内蔵メモリは64GBありますが、64GBでは2時間ちょっと程度しか撮影できません。
それ以上の撮影を行いたい場合には、別途大容量SDカードを用意する必要があります。また、ビデオカメラで撮影したデータをそのままビデオカメラに保存しておくことはおすすめできません。
ビデオカメラに保存してあるデータはPCやレコーダーにバックアップを取ることが基本です。そのため、4Kビデオカメラで撮影した大容量の映像データを保存する先にも、大容量の保存容量が必要となってきます。
編集が重い
4Kの映像を編集したい方も注意が必要です。これまでフルHDのビデオカメラで撮影したフルHD映像を編集していたのと同じ感覚で、4Kビデオカメラで撮影した、4K映像を編集しようとするとかなり重く感じるかもしれません。
4K映像の編集にはそれなりの性能を持ったPCが必要です。そのため、ビデオカメラで撮影後に映像を編集したい方は自分の編集用PCやソフトが4Kに対応しているかを確認する必要があります。