エントリースマホ「Xperia Ace III」のカメラをレビューします。Xperiaシリーズの格安エントリースマホである「Xperia Ace III」のカメラ性能はどの程度なのでしょうか。ミドルエンド、ハイエンドモデルとの違いが分かりやすい「カメラ」に焦点を絞ってみます。
【Xperia Ace III】「カメラ」レビュー ~基本性能~
「Xperia Ace III」に搭載されているカメラの基本的な性能について見ていきましょう。
レンズ構成
「Xperia Ace III」のカメラレンズについては、リヤ1カメラ・フロント1カメラのみの従来のスマホと同様の仕様となっています。
最近の主流はリヤ2カメラで通常撮影に適した広角レンズと、超望遠レンズや超広角レンズ、もしくは両方を搭載した3カメラモデルですがエントリー機種ではまだまだ1カメラ機種も多いのが現状です。
スペック
「Xperia Ace III」のカメラスペックは下記のようになっています。なお、今回はメインカメラについてレビューを行います。
メイン | フロント | |
有効画素数 | 1300万画素 | 500万画素 |
F値 | 1.8 | 2.2 |
記録サイズ | 4:3(13MP),16:9(9MP),1:1(10MP),19:9(7MP) | 4:3(5MP),16:9(4MP),1:1(4MP),19:9(3MP) |
動画 | フルHD,HD(19:9),HD(16:9) フルHD=1920×1080 30p HD=1280×720 30p | フルHD,HD(19:9),HD(16:9) フルHD=1920×1080 30p HD=1280×720 30p |
HDR | オート,ON,OFF | オート,ON,OFF |
フラッシュ | オート,強制発光,OFF,照明 | オート,ON,OFF |
手ブレ補正 | 写真:電子式(常時オン・オフ不可) 動画:電子式(オン・オフ可能) | 写真:- 動画:電子式(オン・オフ可能) |
【Xperia Ace III】「カメラ」レビュー ~日中実写編~
日中の十分に明るさがある時間帯に「Xperia Ace III」のカメラで撮影を行いました。
撮影時の設定はすべてオートです。撮影サイズは4:3(13MP)の最大サイズ(初期設定)で行っております。ただし、接写など一部写真では、画面タッチによるピント合わせのみ行っております。
日中実写作例
日中で明るさが十分にあり、カメラにとっては最高の状態で撮影できた写真です。スマホの画面上の大きさ見たり、SNSに投稿する分には問題ありません。
上記の写真を100%サイズにしたものです。これだけの明るさがありますが、細かい部分のディテールは崩れてしまっています。
こちらも日中、カメラにとっては最高の状態で撮影できた写真です。拡大しなければ十分とも言えます。
接写作例
意外にも接写はかなり綺麗に撮れているのではないでしょうか。
100%サイズに拡大したものです。多少塗り絵感があります。
奥行き感のある場所で、手前にピントを合わせておけば「Xperia Ace III」でも多少はボケ感を出すことができます。
逆光・HDR作例
逆光状態で撮影してみました。手前の石段はかなり黒飛びしていますがかろうじてディテールは保てています。
奥の明るい部分はほぼ白飛びしてしまっています。オートで撮影していますが、一応HDRが働いています。
【Xperia Ace III】「カメラ」レビュー ~夕暮れ・夜間・暗所編~
日が沈んできた夕暮れから夜間、暗所で撮影を行ってきました。このあたりになると、ある程度明るさで誤魔化せていた部分も誤魔化せなくなり、エントリースマホとしてのカメラの実力が試されてきます。
夕暮れ・夜間
夕暮れ時に撮影した写真です。少し暗くなるとかなりノイズがのってきます。
ある程度の明るさがあれば、ある程度のディテールは保つことができます。
100%サイズにすると、駅名の文字はギリギリ保てているもののタイルのディテールはほぼ失われていることがわかります。
「Xperia Ace III」は暗くなると一気にノイズがのってしまい、ディテールが崩れてしまいます。
暗所比較
かなり暗くなってきた時間帯に街灯の明るさで撮影してみました。ここまで来ると、圧縮されたこのサイズの写真でもかなりノイズ感が出てきます。
参考までに。同じ場所でiPhone 13 Proで撮影した写真です。「Xperia Ace III」のようなエントリースマホとハイエンドスマホを比較するとこのような場面で、明確に差が出てきます。
【Xperia Ace III】「カメラ」レビュー ~動画性能~
「Xperia Ace III」の動画性能も見ておきましょう。動画はすべて、フルHD・手ブレ補正オンで撮影しています。
日中撮影ビデオ作例
「Xperia Ace III」で明るい時間帯に撮影したビデオです。見れないことはないもののディテールが崩れてしまっている場面が多々あり、綺麗な映像とは言えません。
夕暮れ時・夜間撮影ビデオ作例
「Xperia Ace III」で夕暮れ時に撮影したビデオです。少し暗くなった環境では「Xperia Ace III」のカメラによるビデオ撮影はダメだとしか言えません。
【Xperia Ace III】「カメラ」レビュー ~レビュー総評~
「Xperia Ace III」で様々な場面を撮影して実例を掲載してきました。最後に、これらの作例レビューを総評していきます。
写真
写真については、明るいどのようなカメラにとってもベストな状態のときにはそれなりに綺麗に撮影することができます。しかし、少しでも暗くなると一気にノイズだらけになり、細部の描画が潰れてしまいます。
正直、同じ価格帯のエントリースマホでも中華スマホは、もう少し綺麗に撮影することができるモデルが多いので残念な結果と言えます。
ただし、完全な真っ暗などでなければある程度雰囲気は記録することができるので、作品や思い出としてではなく、メモ程度の写真を撮影できれば良いといったような使い方であれば「Xperia Ace III」のカメラでもそこそこ使えるのではないでしょうか。
「Xperia Ace III」と同じようなエントリースマホの価格帯でカメラ性能を求める場合は、中古でiPhone8やiPhoneSE(2世代)を購入することをおすすめします。
動画
動画は明るい場面、暗い場所どのような場面をとっても全くダメです。日中で太陽が出ているカメラにとってベストな状態でも、草などの細かい部分の描写が全くできていません。
暗い場面になるとよりひどくなり、ノイズだけでなく突然色味が変化することもあります。「Xperia Ace III」のカメラで綺麗な動画を撮影することは諦めたほうが良いでしょう。
ただし、「Xperia Ace III」は動画撮影時には電子式ですが手ブレ補正が使用できます。動画の手ブレ補正についてはそれなりに効いており、少し気をつけて歩けば見れなくはない程度には補正してくれます。